−豊かな聖化体験−

　本書の著者は、昨年の聖化大会講師でもありますし、永年『宣教師の牧師』として活躍された神の器でありますので、ご紹介する必要はあまりないと思います。本書は、同師のメッセージの中心であり、生き様そのものである聖化の恵みの豊かさを、真実に、実際的に解き明かされたものです。その特徴を二つ挙げてみましょう。

●聖書の読み方の手本となるべき書です
　本書では、ヨシュア記を土台にして、旧約の事実と教訓の中に新約の聖化の教理がどのように見い出せるのかを丹念に解き明かされています。旧約聖書は苦手というクリスチャンに、ぜひ読んでいただきたいと思います。
また、ある聖句に基づく「聖化経験」の解き明かしに留まらず、その聖句を文脈の流れの中で捉え直そうという御言に対する謙虚な姿勢には、聖書的聖化を主張するお互いは大いに学ぶところがあるといえるでしょう。

●聖化の実際面を探られる書です
　著者の御言の解き明かしは、伝統的な聖化の用語「古い人」「罪のからだ」「肉の思い」「完全」に新しい理解を投げかけてくれます。そして、転機としての「きよめ」の経験に与るだけでなく、「きよめの恵みの中に生きるこ
と」をヨルダン川を越えて約束の地・カナンに入ったイスラエルの民の姿から具体的に教え諭してくださいます。きよめを求める人、きよめを真実に生きようとする人に、多くの示唆と励ましを与えてくれる書です。